Un ballo in maschera : 仮面舞踏会

『仮面舞踏会』(かめんぶとうかい)Un ballo in maschera は、ジュゼッペ・ヴェルディが作曲し、1859年2月17日に初演された全3幕からなるオペラである。『仮面舞踏会』は『運命の力』『ドン・カルロ』と並び、ヴェルディ中期を代表する三大傑作の一つとなった。ヴェルディは、このオペラの中でしばしば登場するリッカルドの民衆への愛、リッカルドに対する反逆者の敵意・そしてリッカルドとアメリアの愛という三つのモチーフを音楽で見事に表現していると評される。
原作:ウジェーヌ・スクリーブの戯曲「グスタフ3世 または 仮面舞踏会」

仮面舞踏会の登場人物

ボストン総督リッカルド【グスタフ3世(イタリア語による元表記は「グスターヴォ」)】(テノール)
リッカルドの秘書レナート【アンカーストレム伯爵】(バリトン)
その妻アメリア【アメリア】(ソプラノ)
黒人の女占い師ウルリカ【マダム・アルヴィドソン】(メゾ・ソプラノ)
小姓オスカル【オスカル】(ソプラノ)
水夫シルヴァーノ【クリスティアーノ】(バリトン)
陰謀者サムエル【リッビング伯爵】(バス)
共謀者トム【ホーン伯爵】(バス)
判事(テノール)
アメリアの召使(テノール)

仮面舞踏会のあらすじ

仮面舞踏会の第1幕 :

仮面舞踏会の第1幕 第1場: ボストン総督リッカルドの接見用大広間、朝

ボストン総督リッカルドを賞賛する人々とそれにまぎれた反逆者たちの陰謀の合唱で幕が上がる。そこにリッカルドが現われ、小姓オスカルが差し出す仮面舞踏会の招待客名簿から、密かに思いを寄せるアメリアの名を見つけ、心をときめかせてロマンツァ「恍惚とした喜びの中で」を歌う。人々が退出して独りになったリッカルドは、物思いにふけりながら「アメリア」と独白するが、その時アメリアの夫レナートが入ってきて狼狽する。しかしレナートはこれに全く気が付かなかった。レナートはアリア「希望と喜びに満ちて」で、反対派がリッカルドの命を狙っている、もし万が一のことがあったら……と注意を促す。

そこへ判事がやってきて、人心を惑わせる占い師ウルリカの追放を求めるが、ウルリカと仲のいいオスカルがバラータ「浅黒い顔で星を仰ぎ」を歌ってこれを弁護する。占い師ウルリカへの関心を抱いたリッカルドは、心配するレナートを押し切り、人々を伴って占い師ウルリカの所へ行こうと提案する。これに対して反逆者たちは、リッカルドへの暗殺のチャンスと喜ぶ。

仮面舞踏会の第1幕 第2場: 郊外にあるウルリカの家、深夜

占い師ウルリカの家では大勢の信者が集まっている。占い師ウルリカはアリア「地獄の王よ」で不気味な呪文を唱えながら、占いをしている。そこへ漁師に変装したリッカルドがやってくる。占いが始まり、総督に仕える水夫シルヴァーノが自分に出世の芽があるか占ってくれと言う。それに対して占い師ウルリカは「金と地位がすぐ手に入る」と予言する。これを聞いたリッカルドは、シルヴァーノを士官に任命する辞令と金をシルヴァーノのポケットに入れる。それを見つけてシルヴァーノは大喜び、人々は占いの的中に驚く。

アメリアの召使が現れ、主人が内密に占ってくれるよう求めるので、占い師ウルリカは人払いを命じる。そこへアメリアが現われ、総督リッカルドを愛してしまい、苦しんでいる。不倫の思いを消す方法を教えて欲しいと言う。ウルリカは「郊外の死刑台に生える薬草を深夜摘め」と言う。人の来る気配にアメリアは退出する。しかし、この話の一部始終をリッカルドは物陰で聞いていた。「アメリアが自分を愛している! 私も死刑台へ行こう」と決心する。

そして、再び人払いをされていた人々が戻るとリッカルドは舟歌「告げておくれ…」で占いを頼むが、ウルリカは手相から「親しいものの手にかかって死ぬ」と予言する。さらに「最初に握手する者が加害者」と聞いて、周囲の人々は握手を求めるリッカルドに誰も応じない。反逆者たちもウルリカの占い結果に真っ青になる。そこへリッカルドの身を案じるレナートが現われ、何も知らずにリッカルドと握手する。これを見たリッカルドは、私が忠実なレナートに殺されるはずがないと笑う。そこへ、シルヴァーノを先頭に総督が来ていると気づいた民衆が押しかけ、大騒ぎとなる。しかし、占い師ウルリカだけはこの中に反逆者がいると見破る。

仮面舞踏会の第2幕 : ボストン郊外の死刑台のある荒地

死刑台にヴェールで顔を隠したアメリアが現われ、アリア「でも、ひからびた茎から」でこの恐ろしい場所で薬草を摘む勇気を!と神に祈る。夜中の12時の鐘におびえるアメリアのもとへッカルドが姿を現し、驚くアメリアに愛を告白し、情熱的に迫る。アメリアもやがてこらえきれなくなり、二重唱「ああ、何と心地よいときめきが」でリッカルドを愛していると打ち明ける。しかし、そこに人が近づいてくる。それはアメリアの夫レナートだった。レナートは、反逆者たちがあなたを狙っている、私とマントを取り替えて逃げて下さいと、勧める。リッカルドは迷うが、アメリアの強い勧めもあってその通りにし、立ち去る。

そこへ反逆者たちがやってくるが、総督がすでに逃げたことを知った彼らは、腹いせに「総督の愛人」の顔を見ようとして小競り合いになる。それを止めようと仲裁に入ったアメリアだったが、被っていたヴェールが落ちてしまう。レナートは妻の裏切りに愕然となり、反逆者たちはレナートを嘲る。怒り狂ったレナートは総督に復讐を誓い、立ち去ろうとする反逆者たちに明朝、屋敷に来るよう言う。

仮面舞踏会の第3幕 :

仮面舞踏会の第3幕 第1場: レナート邸の書斎

屋敷に戻ったレナートは妻の弁明に耳を貸さず、冷たく死を命じる。死を覚悟をするアメリアは、アリア「私は死んでまいりましょう。でもその前にこの願いを」で子供との別れを求める。これを受け入れ、アメリアが退出すると、レナートはアリア「おまえであったか、この魂を」でリッカルドの裏切りに憤り、妻との幸福だった生活を懐かしむ。そこに反逆者一派のサムエルとトムが訪れる。レナートはこの2人の陰謀を察知していたが、これを黙っておく代わりに総督の暗殺を引き受けると言う。しかし、サムエルとトムも自分が暗殺をすると言って聞かない。くじ引きで選ぶことになり、名前の書いたカードを壷に入れ、仮面舞踏会の招待状を持ってきたオスカルが来たことを告げに来たアメリアに引かせる。かくして、暗殺はレナートが行うことになった。喜ぶレナートにリッカルド暗殺を直感したアメリアだったが、これをリッカルドに知らせるべきか迷う。

仮面舞踏会の第3幕 第2場: リッカルドの書斎

アメリアとのことが露見したとも知らず、リッカルドはアメリアを諦める決心をし、レナートとアメリアを本国に帰す辞令に署名する。アリア「もしも、私が永遠に」で、アメリアのことは美しい思い出にしようと歌う。そこへオスカルが、見知らぬ女性からと手紙を差し出す。総督暗殺の計画が仮面舞踏会の日にあるという内容だった。この手紙を書いたのはアメリアだった。しかし、逃げることを嫌ったリッカルドは、舞踏会に出ることをオスカルに告げ、もう一度アメリアに会っておこうと決心する。

仮面舞踏会の第3幕 第3場: 仮面舞踏会が開かれている大広間

華やかな仮面舞踏会の会場に暗殺者3人組が現れる。レナートはオスカルに総督の扮装を聞き、勘のいいオスカルはうまくはぐらかすが、大事な話があるというレナートに結局は教えてしまう。リッカルドが会場に現れるが、アメリアが近寄り、危険だから立ち去るように言う。リッカルドはアメリアに本国に帰るよう言い、別れを告げる。しかし、そこへレナートが近寄ってリッカルドを刺す。倒れるリッカルド、総督が刺されたということで仮面舞踏会の会場は騒然となるが、リッカルドはこれを制し、レナートにアメリアが潔白だと告げて、懐から本国への帰国と栄転を記した辞令を渡す。呆然とするレナートを尻目に、リッカルドは事件の関係者の特赦を言い残し、民衆への別れの言葉を最後に息を引き取る。

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  1. トリノ王立歌劇場 仮面舞踏会 2013年12月 1日, 4日, 7日 来日公演

    指揮:ジャナンドレア・ノセダ
    演出:ロレンツォ・マリアーニ
    <アメーリア> オクサナ・ディカ
    <リッカルド> ラモン・ヴァルガス
    <レナート> ガブリエーレ・ヴィヴィアーニ
    <ウルリカ> オルガ・ボロディナ
    <オスカル> 市原愛

    会場: 東京文化会館

    詳細は、 http://www.japanarts.co.jp/torino_2013/index.html

    チケット販売予定:
    2013年2月9日(土)ジャパン・アーツ夢倶楽部会員WEB
    2013年2月10日(日)ジャパン・アーツ夢倶楽部会員TEL
    2013年2月12日(火)ジャパン・アーツぴあネット会員
    2013年2月23日(土)AM 10:00 一般チケット販売
    2013年9月 2日(月)AM 10:00 学生半額チケット ジャパン・アーツぴあコールセンター

    詳細は、http://www.japanarts.co.jp/torino_2013/ticket.html

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